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解決事例

遺言執行者による横領

Aは,約30年前に公正証書遺言を作成していましたが,
その内容は,
① 配偶者Xに不動産及び預貯金を含む遺産全部を相続させる。
② 遺言執行者としてYを指定する。
というものでした。
Yは弁護士等の専門家ではありませんでした。
Aが亡くなってYが遺言執行者に就任しましたので,YはA名義の通帳,印鑑及び不動産関係書類一式を受領しました。
ところが,Yが毎日何度もタクシーに乗ってその交通費(5か月間で約70万円)をAの遺産から受領したり,書類を偽造するなど,Yの行動や経費の計上には不審な点が多々ありました。

兵庫県 70代女性
遺産分割

遺言執行者による横領

解決内容

Xから依頼を受けてAの遺産を精査した結果,YがAの遺産の一部である預金(残高約90万円)を隠して残産目録に記載せずXへ報告していないことや遺言執行のためではない費用として約180万円が計上されていること等が判明しました。

YからA名義の遺産を換金した金額の返還を受ける必要がありますが,
Yがお金に困っている可能性が高いと思われましたので,
まずは,Y所有の不動産に対して仮差押命令を申し立てて,
不動産の仮差押の登記を具備し,
Yが不動産を売却するなどして無資力になるリスクを回避しました。
次に,Yに対して受取金返還請求訴訟を提起しました。

Y所有の不動産については,Yが仮差押解放金を供託したうえで第三者へ売却してしまいましたが,
最終的に,Yから損害賠償として約700万円の支払を受けることを内容とする訴訟上の和解が成立しました。

事案の概要

公正証書遺言や自筆証書遺言において,遺言執行者を指定する場合には,弁護士などの専門家を遺言執行者に指定することにより,遺言執行者が遺産を横領することを未然に防ぐことが重要です。
遺言書を作成した後に,遺言執行者に指定した者と疎遠になるということもありますが,このような場合には少なくとも遺言書を再作成するかどうか検討すべきであり,新たに遺言書を作成した方がよい場合も多いと思います。
また,遺言執行者の執行内容に疑問点があれば,遺言執行者に事実関係を確認するとともに,早急に弁護士に相談して,対応策を検討するようにしてください。

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