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遺産分割の手続きや分割方法について知りたい

1 はじめに

人が亡くなった場合,相続人が一人でない限り,複数の相続人が相続財産を共有している状態となります。この共有状態を解消して,相続財産に含まれる個々の資産・債務につき相続人個々人への配分を決めるのが遺産分割です。
そこで,今回は,遺産分割の手続や分割方法について御説明させて頂きます。

2 協議分割

まずは,相続人全員の協議によって遺産を分割することとなります。遺産分割の内容は協議で自由に定めることができますので,一人の相続人が遺産の全部を取得したり,あるいは,遺産を全く取得しないという内容での遺産分割も可能です。
また,遺産分割に期間の制限はありませんが,相続税の申告期限は「その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から10ヶ月以内(相続税法27条1項)」となっていますので,注意が必要です。

3 調停分割

相続人間の協議が調わない場合には,家庭裁判所に遺産分割調停の申立をすることとなります。調停事件の当事者を「申立人」「相手方」と呼びますが,「相手方」の住所地を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てる必要がありますので,共同相続人のうち誰が「申立人」となり,誰が「相手方」となるのかによって,どこの家庭裁判所が担当するのかが決まることとなります。共同相続人に遠隔地に居住している者が含まれる場合には注意が必要です。
遺産分割の内容は調停においても自由に定めることができますが,裁判所が内容に関与しますので,法定相続分から大きく掛け離れた内容で遺産分割調停を成立させるためには裁判所に対しその理由を十分に説明する必要があると思います。

4 審判分割

調停も調わない場合には,家庭裁判所の審判によって遺産を分割することとなります。審判においては,原則として法定相続分どおりに遺産が分割されますが,具体的な分割については,相続人の諸事情が考慮され,妥当な分割が実現されます。

5 分割方法

分割方法には,①現物分割,②代償分割,③換価分割,④共有分割,の4種類があります。
①現物分割とは,例えば四人の相続人に対し,一筆の土地を4分割してそれぞれの相続人が分割された一区画を取得する方法です。
②代償分割とは,例えば一人の相続人に法定相続分を超える額の財産を取得させ,その超えた分について,他の相続人に対する債務を負担させる方法です。
③換価分割とは,財産を売却する等して換価したうえで,代金を各相続人に分配する方法です。
④共有分割とは,例えば不動産(土地・建物)を相続人の共有とする方法です。共有状態を解消するためには別の手続が必要になります。

6 まとめ

遺産分割の手続は,協議分割・調停分割・審判分割と段階を踏むことになりますが,結果についての見通しがなければ,適切な方針を立てることができず,満足のいく結果を得られない可能性があります。できる限り早い時期から弁護士などの専門家に相談されることをお勧めします。