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親の遺産を兄弟が使い込んだ!?争族トラブルの現実と実際

相続トラブルの中でも、特に多いのが「遺産の使い込み」に関するトラブル
相続人の誰かに使い込み疑惑が持ち上がった場合、当事者同士の話し合いだけで解決するのは困難です。
必要な証拠を集めるなどして、冷静に対処する必要があります。
 

意外に多い!?遺産の使い込みトラブル

相続ならぬ「争族」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
相続トラブルによって仲がよかった家族が争い、絶縁状態になってしまう……実際、相続がきっかけで家族関係が悪化してしまったというケースは少なくありません。
相続トラブルが起きる原因はさまざまですが、そのひとつが「遺産の使い込み」疑惑に関するものです。
「亡くなった親に財産管理を任されていた兄弟が遺産を使い込んだのではないか」とほかの相続人の使い込みを疑った方、あるいは逆に「ほかの相続人に遺産の使い込みを疑われている」と困った方が相談に来られるケースは非常によくあります。
 

使い込みトラブルが起きてしまう原因とは

使い込みトラブルは、同居の親族あるいは財産管理を任された人間と、そのほかの相続人の間で起きるケースが一般的です。
こうしたトラブルが起きる原因として、よくありがちなものをここでは2つ紹介します。
 

相続人間での情報格差

1つ目は、被相続人の財産に関する情報について格差があることです。
高齢になり、財産の管理を誰かに任せる方も多いと思います。
ここでは仮に子どもに任せるというケースを考えてみましょうか。
実際に財産の管理を任せるとなった場合、相続人となりうる子ども全員にお願いするというパターンはそれほど多くはありません。
数人の子どもの中から1人だけを選んでお金の管理を任せるというケースが大半だと思います。
その結果、何が起きるのか。
いくら現金や預貯金があるのか、どこに財産があるのかといった相続財産に関する情報について、同じ子どもでも知っている人・知らない人に分かれてしまうことになるのです。
このような状況下では、財産内容を知らない側の子どもとしてはどうしても疑心暗鬼にならざるを得ません。
他に隠している財産があるんじゃないか、親のお金をコッソリ使い込んでいるんじゃないか、と財産管理をしていた人に対する疑いが生じ、最終的には家族を巻き込んだトラブルに発展していってしまうことになります。
 

ルーズな金銭管理

推定相続人が被相続人と同居しているような場合は、被相続人の生活費とほかの家族の生活費が混ざってしまうというのもありがちなパターンです。
お金の管理がルーズで、被相続人の財産から被相続人以外の家族の生活費まで出していたようなケースはトラブルになりやすいといえるでしょう。
 

使い込み疑惑がある場合にやるべきこと

誰かに財産の管理を任せた時点で、使い込みのリスクは常に生じうるものです。
財産管理を任された人に対して、他の相続人が「もしかしたら使い込んでいるんじゃないか」と不信感を抱くことは(状況によっては)当然ありうるところかと思います。
もっとも使い込み疑惑があるといっても、証拠がなければ相手に使い込みの事実を認めさせることはできませんし、裁判になったときにも勝てません。
つまり、実際に「使い込みがある」と主張するには、単なる疑いや疑わしい状況があるだけではダメで、使い込みがあったことを証明してくれるような証拠を用意する必要があるのです。
 

まずは銀行の入出金履歴を取り寄せてみる

証拠を用意して、と言われても、何を用意すればいいの、と思う方もいるかもしれません。
しかし、証拠といっても難しく考える必要はありません。
あるモノを見れば、使い込み疑惑がクロなのかどうかを比較的容易に判断することができるからです。
それは、銀行の入出金履歴。
故人の口座のお金がどう動いているかを見るだけで、いろいろなことがわかるものです。
銀行の入出金履歴を取り寄せてみて入出金履歴に何か不審な点があれば、財産の使い込みがあった証拠として使える可能性が高いといえます。
入出金履歴の取り寄せは相続人であれば誰でもできるものですので、怪しいなと思った場合はとりあえず取り寄せてみることをオススメします。
使い込みが疑われる不審な入出金履歴の例としては、次のようなケースがあげられます。
 

なぜか50万円ずつATMで現金が引き出されている

財産管理のためにキャッシュカードと通帳を預かった人が被相続人の財産を少しずつ引き出して、自分のものにしてしまう……。
このような事態は使い込みトラブルではありがちなものです。
1日にATMで引き出せる上限の金額は50万円ですが、定期的に50万円ずつ引き出しがあるというような場合は、使い込みが起きている疑いが濃厚になってくるといえます。
 

高額の引き出しがある

たとえば被相続人と同居している場合、被相続人本人の生活費を被相続人の財産から出すというのはおかしな話ではありません。
しかし、生活費にしては不自然に高額な金額が引き出されている、あるいは定期的ではないにせよ高額の出金があって領収書もない、というケースでは使い込みの疑いが出てきます。
たとえば、本人の生活費として月に10万円ずつ引き出していた、というのであれば、そこまでおかしくはないかもしれません。
しかし、ある月だけ100万円引き出されているだとか、いつもとは違ったイレギュラーなことが起きている。
そういったことがあると、少し雲行きがあやしくなってきます。
 

解決事例

当事務所でも、使い込みトラブルに関連したご相談は少なくありません。
ここでは、当事務所の解決事例を3つほど紹介します。
 

使い込みを疑われて…… 適切な対応で事なきを得た事案

ほかの相続人に使い込みを疑われて相談に来られた方がおられました。
本ケースでは使い込みの証拠がない状態で相手方が「使い込みがあったのでは」と主張していたため、現時点で残っていた遺産をきれいに分けることで当事者双方が納得することができました。
 

遺言執行者を任された人による使い込み

本ケースは遺言執行者が遺産を使い込んだという事案で、相続人にあたる方(原告)が相談に来られました。
遺言に書かれた内容を実現するための手続きを任された人のことを遺言執行者といいます。
本ケースでは、本人が生前に指定した遺言執行者が遺産の適切な管理を行わず、遺言執行のためではない費用を経費として計上する、書類を偽造するなど遺言執行者の側にさまざまな不審な行動が見られました。
弁護士が調査をしたところ、上記の問題が明らかになったため、損害賠償を求めて訴訟を提起し、最終的には遺言執行者が相続人に約700万円を支払うという原告側に有利な形で訴訟上の和解を成立させることができました。
本ケースは刑事事件にもなった、やや特殊な事案ではあります。
ただ、実際のところ財産管理を任された人による使い込みというのはかなり多いというのが弁護士としての実感です。
 

財産管理を任せた人による横領

被相続人が生前に財産の管理を任せていた人間による横領が起きた事案です。
本ケースでは、被相続人に子どもがおらず、すでに夫とも死別していました。
そこで被相続人は夫と先妻の間に産まれた子どもであるYに財産管理を任せ、その姪であるXに財産を遺贈することにしていました。
しかし、Yが財産管理のために被相続人から扱っていた預貯金通帳や印鑑、キャッシュカードを悪用し、被相続人の口座から約3800万円を出金して取得しました。
被相続人が亡くなった後、Xが弁護士に相談したことで上記の事実が発覚し、最終的にYがXに約2000万円を払うことで訴訟上の和解が成立しました。
財産を所有している本人は、自分が健康なうちは誰かに管理を任せようとは思わないかもしれません。
しかし、判断能力が低下してから身近な人に財産管理を任せた結果、実はその人が管理者として不適切だったという事案もあります。
本来なら信託を利用するなどして、まだ健康なうちに、将来の財産管理について決めておくのが望ましいといえます。
 

トラブルを招かないために~これから親の財産を管理する人がやっておくべきこと

親が高齢になって財産の管理ができなくなり、財産管理を任されたという方もいるかと思います。
財産管理を任されたということは、逆に言うと他の方から財産の使い込みを疑われやすい立場になったということです。
よけいなトラブルを招かないようにするためにも、第三者が見たときに「被相続人の財産を何にいくら使ったのか」ということをきちんと証明できるようにしておくことをおすすめします。
確定申告をしたことがある方はイメージしやすいと思うのですが、具体的には出費をしたときにはきちんと領収書を取っておくことが大切です。
入院費などの必要な出費をしたときであっても、「正当な出費である」という証拠がなければ使い込みを疑われたときに反論しにくくなってしまいます。
財産管理を任された場合は領収書を保管し、お金の流れを透明にしておくことが重要です。
 

使い込みトラブルに巻き込まれそうになった場合は相談を

使い込みトラブルにおいて、実際に「使い込みがあったかどうか」の判断でまず重要になるのが、銀行の入出金履歴などに不審なところがないかどうかです。
使い込みがあった場合、証拠がない状態で相手が認めてくれることはまずありません。
一方、使い込みを疑われている場合も、証拠がなければ相手も自分の言い分を通すのが難しくなります。
証拠の有無で事件の見通しがある程度わかりますので、使い込み疑惑がある場合は、まずは弁護士にご相談いただければ幸いです。
 

書籍紹介

「士業プロフェッショナル 2022年度版 相続・遺言・成年後見・家族信託・事業承継編」で当事務所が紹介されました。

この記事を監修した人

田阪 裕章

東大寺学園高等学校、京都大学法学部を卒業後、郵政省・総務省にて勤務、2008年弁護士登録。幅広い社会人経験を活かして、事件をいち早く解決します。
大阪市消費者保護審議会委員や大阪武道振興協会監事の経験もあります。