土曜・夜間も相談対応

TEL 050-3628-2026電話受付時間 平日 09:00~20:00
土日祝 09:00~20:00

相続人調査と相続財産調査の必要性

人が亡くなった後、遺産を相続する相続人が遺産分けについて話し合う遺産分割協議が行われます。

遺産分割協議は被相続人のすべての遺産を把握した上で、相続人全員が集まって協議する必要があります。「相続人はうちの家族だけ」と思われるかもしれませんが、不動産や預貯金の名義変更や解約の手続をすることも見越すと、相続人調査をすることは必須となります。具体的には、被相続人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍を取り寄せる必要があります。同様に、被相続人の財産もすべて確認したうえで協議を進めなければなりません。今回は相続人調査と相続財産調査の必要性を解説します。
 

相続人調査が必要な理由とその方法

相続人調査は、文字通り誰が相続人であるか調べることです。例えば父と母、子2人の家族で父が亡くなった場合の相続人は、普通は「母と子2人」であると考えるでしょう。

しかし、亡くなった父親に離婚歴があり前妻との間に子がいた場合、その子も相続人になります。家族に内密で認知した子や養子縁組をした子など、自分たちの知らない相続人が判明する可能性はゼロではありません。

相続人調査をせずに遺産分割協議を終えたものの、しばらくして新たな相続人が現れてしまうと、もともとの遺産分割協議は無効となり、新たに相続人全員による遺産分割協議が必要になりますが、新たな相続人との間で不要なトラブルを招くおそれもあります。

相続人調査はこうした紛争を防ぐためにも必要な手続きの一つといえます。次に紹介する方法で相続人の調査を進めましょう。
 

戸籍を取り寄せる

生まれた時から死亡するまでのすべての戸籍を取り寄せます。戸籍の取り寄せと言えば、戸籍謄本をイメージする方も多いと思いますが、戸籍謄本だけでは足りないケースもあるのです。次に挙げる戸籍の種類を把握して、自分に必要な戸籍はどの種類か確認すると良いでしょう。
 

・戸籍全部事項証明書(謄本)

戸籍の原本に記載されている内容をそのまま写したもので、現在も生存している方がいる戸籍を一般的に「戸籍謄本」と呼んでいます。住所地ではなく、本籍地のある役所で取得しましょう。遠方で役所に行けない場合は郵送で取り寄せることもできます。戸籍謄本を取得する際に必要となる書類や費用は、本籍地のある自治体のホームページをご確認ください。
 

・除籍全部事項証明書(謄本)

除籍謄本は、結婚や離婚、死亡などにより特定の戸籍内に全員がいなくなった場合に作成される戸籍の写しです。これも相続人調査において必要となります。
 

・改製原戸籍全部事項証明書(謄本)

改製原戸籍は、法律に基づいて戸籍が改製される前の戸籍の写しです。明治時代以降、戸籍はこれまでに何度か改製されています。

戸籍が改製される際、改製前に除籍されている人は新しい戸籍に記載されません。改製前の改製原戸籍を取得しなければ正確な相続人の数を把握できなくなります。こちらも相続人調査では忘れずに取得しましょう。
 

相続財産調査の必要性と財産の種類

相続財産調査は被相続人が生前保有していた財産(相続人が相続する財産)の有無・種類・残高を調査するものです。相続財産をすべて把握しなければ遺産の一部について遺産分割協議をすることになってしまうため、こちらも相続人調査と同様、必要な調査となります。遺言書があったとしても、被相続人が作成した財産目録にすべての遺産が記載されているとは限らないので、面倒でも相続人による財産調査をした方がよいと言えます。
 

相続財産の種類

相続財産として①預貯金、②不動産、③有価証券などがあり、そのほかに相続財産には含まれませんが、マイナスの財産である債務もあります。それぞれの調査方法についてご紹介します。
 

①預貯金

被相続人の財布の中にキャッシュカードがあれば、どこの金融機関・支店に口座を保有しているか確認できます。これに対して、通帳や印鑑など、財産に関するものを目につきやすい場所に保管していることは普通は考えにくいので、金庫や書棚・箪笥など、心当たりがある場所を探してみることです。

通帳に記帳されている預金残高と実際の預金残高が異なることもあるので、金融機関に出向き正確な預金残高を確認し、残高証明書を発行してもらいましょう。

最近ではインターネットバンキングを利用する方も多いので、パソコンやスマートフォンの閲覧履歴で保有している銀行口座を確認できることもあります。
 

②不動産

不動産は固定資産税・都市計画税の納税通知書が自治体から毎年郵送されてくるので、自宅に保管していれば不動産の保有状況を確認できます。

納税通知書が自宅で見つからない場合は、不動産を所有している可能性がある自治体で「名寄帳」を取り寄せましょう。名寄帳は特定の地域で不動産を所有している人の名簿のようなものです。市区町村さえわかれば特定は可能になります。
 

③有価証券

株式や投資信託などの有価証券を保有している場合、定期的に証券会社から取引報告書などの書類が届いているはずですので、自宅に保管していれば取引状況を把握できますし、パソコンやスマートフォンの閲覧履歴などでどこの証券会社に口座を持っているのか確認できることもあります。このほか、銀行の通帳に証券会社からの入出金履歴が記帳されていることもあります。
 

④債務

債務は正確には相続財産には含まれず、相続分に応じて分割されますので、被相続人の債権者との関係では遺産分割協議によって処理することは出来ません。被相続人が亡くなったときにまず検討しなければならないことは、プラスの財産よりマイナスの財産の方が多いかどうかであり、相続放棄をするのであれば3か月間という期間制限に注意が必要です。金銭消費貸借契約書、ローンの返済表、キャッシングやカードローンの資料、連帯保証に関する契約書など、借入や負債があるかもしれないというような場合には、債権者に問い合わせてみましょう。

債務の金額が不明なときは、CICなどの信用情報機関に問い合わせれば信用情報機関に登録されている債務の状況を確認できます。
 

相続人調査・相続財産調査は弁護士が代行できます

相続税の申告期限は、相続開始から10か月以内です。それまでに相続人調査・相続財産調査だけでなく、遺産分割協議も終了させておかなければなりません。また、相続放棄をするのであれば3か月間という期間制限があります。
ただ、身内を亡くしてあわただしい時に相続人調査も相続財産調査を同時に進めるのは、手間だと感じるかもしれません。

その場合、相続に詳しい弁護士が相続人調査・相続財産調査を代行できます。相続を確実に進めたい方や、相続人の数や相続財産の種類が多い方は弁護士にお気軽にご相談ください。

この記事を監修した人

田阪 裕章

東大寺学園高等学校、京都大学法学部を卒業後、郵政省・総務省にて勤務、2008年弁護士登録。幅広い社会人経験を活かして、事件をいち早く解決します。
大阪市消費者保護審議会委員や大阪武道振興協会監事の経験もあります。