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年金も相続財産に含まれるか

相続が発生した場合、故人がもらっていた年金はどうなるのでしょうか。故人のもらっていた年金は相続財産には含まれませんが、加入していた年金の種類によっては「みなし相続財産」として相続税が発生することもあります。ここでは、相続が発生した場合の年金の扱いや必要となる手続きについて簡単にご紹介します。
 

相続財産になるもの・ならないもの

相続が起きると、故人が所有していた財産(現金、預貯金、不動産など)はすべて相続の対象となります。もっとも公的年金は相続財産には含まれず、遺産分割の対象にもなりません。
また個人年金のような民間の年金も、保険会社から特定の人に直接に支払われるものなので相続財産からは外されます。
ただし個人年金のような民間の年金の場合は、相続によって年金の受給権が遺族に引き継がれます。詳細な手続き等については各保険会社に問い合わせいただければと思います。
 

相続発生後は遺族は公的年金を受け取れないのか

公的年金の加入者が亡くなった場合、遺族が本人の受け取っていた年金をそのまま受け取ることはできません。
公的年金をもらっていた本人が亡くなった後、何も手続きをしないまま年金をもらい続けていると不正受給ということになってしまいます。
相続が発生した場合は、「年金受給者死亡届」の提出(マイナンバーが日本年金機構に登録されていない場合)などの手続きを行い、年金の支給をストップさせる必要があります。
もっとも次のような場合については、遺族も亡くなった本人が加入していた年金に基づいてお金を受け取ることが可能です。
 

遺族年金がもらえる場合

1つは、遺族年金が支給される場合です。
国民年金に加入していた被保険者が亡くなった場合、遺族基礎年金(子どもがいる家庭の場合)や寡婦年金(子どもがいない家庭の場合)をもらえることがあります。
また厚生年金に加入していた被保険者が亡くなった場合は、その受給資格に問題がない限り、特定の遺族に遺族厚生年金が支払われます。このときの優先順位は配偶者もしくは子どもが第1位です。なお配偶者や子どもがいない場合については、本人の親、孫、祖父母の順番で受給権がまわってきます。
 

未支給年金がある場合

もう1つは未支給年金がある場合です。
年金は2ヶ月に一度支給されるため、本人が亡くなったタイミングによっては年金を受け取れない可能性があります。このようなケース、すなわち受け取れなかった年金(未支給年金)がある場合は、本人の代わりに遺族がお金を受け取ることが可能です。
ただし、年金を受け取るためには別途必要書類をそろえて請求を行う必要があります。自動的に受け取れるわけではないので注意しましょう。
また年金の受給権については5年間の時効期間があるため、請求するのであれば早めに手続きを行う必要があります。
 

年金と相続税

相続といえば、税金がどうなるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。年金はそもそも相続の対象となる財産ではないため、相続税は特に関係ありません。未支給年金を遺族が受け取った場合は一時所得として扱われます。
もっとも民間の金融機関でかけていた個人年金は、みなし相続財産として相続税の課税対象になります。個人年金がある方は注意が必要です。
 

相続財産のことで悩んだら

相続については、どの財産をどう分けるのか、税金の問題をどうクリアするかなど複数の難しい問題が関わってきます。特に、マイホームなどの不動産をお持ちの場合、そのままの形で分けるのが難しいこともあるでしょう。円滑に相続を進めるためには、早めの対策が大切です。「これから相続について考えたい」という方も、「実は相続でトラブルになりそうだ」という方も、どうかお気軽に一度お話を聞かせていただければと思います。

この記事を監修した人

田阪 裕章

東大寺学園高等学校、京都大学法学部を卒業後、郵政省・総務省にて勤務、2008年弁護士登録。幅広い社会人経験を活かして、事件をいち早く解決します。
大阪市消費者保護審議会委員や大阪武道振興協会監事の経験もあります。